屈折異常(近視・遠視・乱視)
屈折異常とは
私たちの目は、外から入ってきた光を角膜や水晶体で屈折させ、眼の奥にある網膜上にピントを合わせることでものを見ています。光が網膜上に正しく焦点を結ぶ状態を「正視」といいます。
一方、眼球の長さ(眼軸長)や角膜・水晶体の屈折力などのバランスによって、網膜上にうまくピントが合わない状態を「屈折異常」といいます。
代表的な屈折異常には「近視」「遠視」「乱視」があり、それぞれ見え方やピントが合わない仕組みが異なります。
また、加齢によって近くにピントを合わせる力が低下する「老眼(老視)」も、見えにくさを生じる代表的な原因です。
見えにくい状態を無理に我慢していると眼精疲労につながることがあります。見え方に変化を感じたら、現在の目の状態に合った矯正を行うことが大切です。

このような症状はありませんか?
●遠くの文字や看板が見えにくい
●手元の文字が見えにくくなった
●ものがぼやける、二重に見える
●文字や線がにじんで見える
●目を細めないとはっきり見えない
●ピントが合うまで時間がかかる
●眼鏡やコンタクトレンズを使用しても見えにくい
●パソコンやスマートフォンを使うと目が疲れる
●頭痛や肩こりを繰り返す
●最近、視力が低下したように感じる
近視とは
近視とは、遠くから入ってきた光が網膜よりも手前で焦点を結ぶ状態です。
近視の多くは、眼球の奥行き(眼軸長)が長くなることで起こります。このほか、角膜や水晶体の屈折力が強いことによって起こる場合もあります。
近くのものは比較的見やすい一方、遠くのものがぼやけて見えることが特徴です。
近視の発症や進行には遺伝的な要因だけでなく、近くを見る時間や屋外活動などの生活環境も関係すると考えられています。

強度近視とは
近視の程度が強い状態を「強度近視」といいます。一般的には、近視の度数が-6.0D(ジオプトリー)を超えるものが強度近視の目安とされています。
強度近視では眼軸長が長いことが多く、それに伴って網膜や脈絡膜、視神経などに負担がかかる場合があります。
なお、「強度近視」と「病的近視」は同じ意味ではありません。強度近視などを背景として眼球の後方の組織である「網膜」「脈絡膜」「視神経」に病的な変化が生じ、視機能に影響する状態を病的近視といいます。
近視が強い方は定期的な眼科検診を
近視、特に強度近視では、網膜剥離、緑内障、近視性黄斑症などの眼疾患のリスクが高くなることが知られています。
眼鏡やコンタクトレンズでよく見えていても、眼球そのものの状態に問題がないとは限りません。
近視が強い方は、見え方に異常がなくても定期的に眼科を受診し、眼底などの状態を確認することが大切です。
遠視とは
遠視とは、目に入った光が網膜よりも後方で焦点を結ぶ状態です。眼球の奥行き(眼軸長)が短いことや、角膜・水晶体の光を屈折させる力が弱いことなどによって起こります。
「遠視=遠くがよく見える」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
若いうちは、ピントを合わせる力(調節力)が強いため、遠視があっても遠くも近くも見えていることがあります。しかし、遠くを見るときにもピントを合わせる力を使っているため、目に負担がかかりやすく、眼精疲労や頭痛などの原因になることがあります。
また、小児の強い遠視では視力の発達に影響し、弱視や斜視につながることがあります。

乱視とは
乱視とは、主に角膜や水晶体の形状などによって、目に入ってきた光が一点に集まらない状態です。
ものがぼやける、二重に見える、文字や線がにじんで見えるなどの症状が現れることがあります。また、ピントを合わせようとして目に負担がかかり、眼精疲労につながることもあります。
乱視は大きく「正乱視」と「不正乱視」に分けられます。

直乱視


直乱視の見え方
倒乱視


倒乱視の見え方
斜乱視


斜乱視の見え方
不正乱視
角膜などの表面が不規則にゆがむことによって生じる乱視です。
円錐角膜などの角膜疾患や外傷などが原因となることがあり、通常の眼鏡では十分な視力が得られない場合があります。
不正乱視が疑われる場合には、その原因を調べ、目の状態に応じた適切な対応を検討します。
角膜不正乱視

水晶体不正乱視

老眼(老視)とは
若い人
水晶体が厚くなったり薄くなったりしてピントが合う。

老眼(老視)
水晶体が硬くなりピント調整が難しくなる。

老眼(老視)とは、加齢によって近くにピントを合わせる「調節力」が低下し、手元が見えにくくなる状態です。
目の中にある水晶体は、その厚さを変えることで見る距離に合わせてピントを調節しています。年齢とともに水晶体が硬くなるなどして調節力が低下すると、近くのものにピントを合わせにくくなります。
「スマートフォンの文字を離した方が見やすい」「近くを見た後に遠くへピントが合うまで時間がかかる」などの変化が、老眼に気付くきっかけになることがあります。
なお、近視の方も老眼になります。 近視の方は眼鏡を外すと近くが見えることがあるため気付きにくい場合がありますが、加齢による調節力の低下は起こります。
老眼(老視)の主な症状
●手元の文字が見えにくい
●少し離した方が文字を読みやすい
●暗いところで文字が見えにくい
●近くから遠くへ視線を移すとピントが合いにくい
●パソコンやスマートフォンを見ると目が疲れる
●目の疲れに伴って頭痛や肩こりが起こる
当院の屈折異常の診療
正確な検査で、目の状態を詳しく確認します
「見えにくい」と感じる原因は、近視・遠視・乱視だけとは限りません。
当院では、視力検査や屈折検査などを行い、近視・遠視・乱視の有無や程度を正確に把握するとともに、見えにくさの原因を詳しく確認します。 必要に応じて目の状態を詳しく調べ、白内障や緑内障、網膜疾患などが隠れていないかも確認します。

一人ひとりの見え方・ライフスタイルに合わせてご提案します
必要な見え方は、年齢や仕事内容、生活スタイルによって異なります。
パソコン作業が多い、運転をする、スポーツをするなど、日常生活で見ることの多い距離やご希望も確認しながら、一人ひとりに適した矯正方法をご提案します。

屈折異常の検査
近視・遠視・乱視の程度を正確に把握し、見えにくさの原因を確認するために、視力検査や屈折検査などを行います。
必要に応じて目の詳しい検査を行い、ほかの眼疾患が隠れていないかも確認します。
視力検査
裸眼での視力と、眼鏡などで矯正したときの視力を測定します。
単に「どのくらい見えるか」だけでなく、適切に矯正することでどの程度まで視力が得られるかを確認します。
屈折検査
目に入った光の屈折状態を測定し、近視・遠視・乱視の有無や程度を調べます 。
検査結果をもとにレンズを調整しながら、患者さんの見え方を確認し、適切な矯正度数を判断します。
眼鏡・コンタクトレンズの度数確認
現在使用している眼鏡やコンタクトレンズがある場合には、目の状態に合った度数になっているかを確認します。
度数が強すぎたり弱すぎたりすると、見えにくさだけでなく眼精疲労につながることもあります。
目の病気がないか確認します
視力低下や見えにくさは、屈折異常だけでなく、白内障や緑内障、角膜・網膜の病気などによって生じることもあります。
診察や必要な検査を行い、治療が必要な眼疾患が隠れていないかを確認します。
屈折異常の治療・矯正
近視・遠視・乱視などの屈折異常は、眼鏡やコンタクトレンズを使用して、網膜上に正しくピントが合うように矯正することが基本です。
当院では、目の状態や年齢、ライフスタイル、ご希望に合わせて適切な矯正方法をご提案します。また、近視の方にはオルソケラトロジーやICL(眼内コンタクトレンズ)という選択肢もあります。
屈折異常 よくある質問
Q
遠視は「遠くがよく見える」ということですか?
A
必ずしもそうではありません。
若いうちは目の調節力を使うことで遠くも近くも見えている場合がありますが、その分、目に負担がかかりやすく、眼精疲労につながることがあります。遠視が強い場合などは、遠くも近くも見えにくくなることがあります。
Q
遠視と老眼は同じですか?
A
異なります。遠視は目の屈折状態によるもので、老眼(老視)は加齢によって近くにピントを合わせる調節力が低下した状態です。
そのため、近視の方にも遠視の方にも老眼は起こります。
Q
眼鏡やコンタクトレンズを作るときも眼科を受診した方がよいですか?
A
眼科で検査を受けることをおすすめします。
見えにくさの原因が近視・遠視・乱視だけとは限らず、白内障や緑内障、網膜疾患などが隠れている場合があります。また、度数が強すぎたり現在の目に合っていなかったりすると、眼精疲労につながることもあります。
Q
眼鏡やコンタクトレンズ以外に近視を矯正する方法はありますか?
A
はい。当院では、適応のある方にオルソケラトロジーやICL(眼内コンタクトレンズ)をご提案しています。
オルソケラトロジーは就寝中に特殊なコンタクトレンズを装用して近視を矯正する方法で、ICLは目の中にレンズを挿入して視力を矯正する手術です。
それぞれ適応や特徴が異なるため、詳しい検査を行ったうえでご案内します。
公開日:2026年10月13日
最終更新日: 2026年10月13日

執筆者兼監修者プロフィール
院長 桐山 卓也
●資格
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日本専門医機構認定 眼科専門医
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スターサージカル ICL認定医
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日本医師会認定 産業医
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屈折矯正手術講習会修了
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オルソケラトロジー講習会修了
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水晶体嚢拡張リング(CTR)講習会受講修了
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ボトックス・ジュビダームビスタ施注資格修了
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舌下免疫療法講習会修了
●所属学会
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日本眼科学会
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日本白内障屈折矯正手術学会
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日本角膜学会
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日本緑内障学会



